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【2023年6月】北海道の電気料金値上げに関するまとめ

【2023年6月】北海道の電気料金値上げに関するまとめ

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電気料金の値上げが承認され、来月からいよいよ電気料金の値上げがスタートします!

昨年末に発表された内容から変更点がいくつもあり、実際どのように変化するのかわからない人も多いと思いますのでまとめてお伝えしていきます。

北海道電力のホームページに記載の内容を基にしています。個人や一般住宅(低圧電力)を対象にした内容です。

【目次】

1.主な変更点

2.電気料金への影響

3.電気料金を下げる方法

4.今後の予測

5.全館空調(当社の場合)の電気料金予測

6.さいごに

1.主な変更点

今回の電気料金の値上げによる主な変更点は以下の3つになります。

①基本料金

規制料金(賃貸やガス併用住宅に住む人が多く利用)、自由料金(オール電化住宅に住む人が多く利用)共に契約アンペアによって基本料金が上がります。理由としては、2023年4月から「託送料金制度(レベニューキャップ)」が始まった影響が大きいとされています。

どれくらい上がるのかはこちら⇒ 電気料金単価表(規制料金自由料金

【託送料金制度とは】電気は送配電線を使って各家庭などに供給されますが送配電線の所有は大手電力会社となっています。電力自由化により様々な電気小売事業者が参入しましたが「送配電線」を使用するために各社使用料を支払っています。この使用料による収入に上限を設けて効率化・コストカットを図ることで結果的に託送料を抑えることを目的としたのが託送料金制度(レベニューキャップ)となります。制度当初は金額が上がるものの、長期的には下がっていくと考えられています。

②電力量料金単価

使用する電力量(1kWhあたり)によって請求される料金ですが、料金単価についても値上がりします。託送料金と小売料金の値上げ分が反映され、契約アンペア・契約プラン毎に単価が定められています。(上記の電気料金単価表に料金が記載されています)

③燃料費調整単価

発電に必要な燃料費の増減によって毎月定められるもので、1kWh×燃料費調整単価で電気料金に反映されます。基準となる平均燃料価格より燃料費が上回れば電気料金に加算され、反対に下回れば電気料金から差し引かれます。

今回大きな変更点としては主に2つあり、「平均燃料価格が増加」「上限単価の増加(規制料金)」です。

【平均燃料価格】

2023年5月までの燃料費の平均燃料価格は37,200円でしたが6月からは80,800円に増加します。平均燃料価格が80,800円より上回れば電気料金が高くなり、下回れば電気料金が安くなります。(2023年4月から80,800円を下回っています)また、燃料価格の算出はこれまでLNG(液化天然ガス)を含んでいませんでしたが、6月以降は天然ガスの燃料価格も含んで算出されます。

【上限単価の増加(規制料金)】

燃料費が高騰し続けた場合でも価格への影響を抑えるために、電気料金へ加算する金額に上限を設ける制度があります。大手電力会社の中ではこの上限制度を撤廃した会社もありますが北海道電力の場合は上限制度を維持する予定です。但し、平均燃料価格が上昇した影響や基準単価の減少(0.197円から0.173円)などもあり燃料費調整単価の上限単価は1kWhあたり3.66円から6.98円と増加します。

2.どれくらい値上がるのか

2023年5月までの基準と6月以降の基準を比較した場合、年間の電気料金がどれくらい変化するのか主な契約プラン毎に予想しました。

【条件など】

規制料金・・・賃貸やガス併用住宅などの場合

自由料金・・・賃貸やガス併用住宅でなどで自由料金を選んだ場合

オール電化・・・オール電化住宅専用プランを選んだ場合

家族構成:4人/住宅種別:戸建/契約アンペア:規制料金(50A)・自由料金(5kW)・オール電化(6kW)/電気使用量:規制料金・自由料金(4,800kWh/年・11~4月平均500kWh・5月~10月平均300kWh)・オール電化(8,400kWh/年・11~4月平均1,000kWh・5月~10月平均400kWh、)/単価:規定通り(オール電化は平均単価5月まで24.34円・6月以降34.23円※日中単価の90%)燃料費調整単価:5月までの基準・6月以降は-1.64円/kWh(激変緩和対策事業による値引きなし)/再エネ賦課金1.4円/kWh(2023年度)

北海道電力の発表資料、および激変緩和対策事業等の数値を参考にしています。

【従量電灯B(規制料金)】

【エネとくMプラン(自由料金)】

【エネとくスマートプラン(オール電化)】

電気料金の契約プランには「規制料金」と「自由料金」の2通りありますが、今回はどちらも電気料金が上がります。特に影響を受けるのは規制料金で契約をしている方々です。北海道電力と契約している家庭の約7割が規制料金の契約となっており、主に賃貸やガス併用住宅で暮らす人が多く契約しているものです。「規制料金」よりも「自由料金」の方がお得になると北海道電力の資料(電気料金の見直し(低圧のお客さま)P12)でも発表されています。

2022年家計調査では、北海道における2人以上の世帯における年間の電気代は157,003円となっており実際の4人家族の電気代は規制料金・自由料金共に上記よりも高い可能性があります。また、電気温水器や非ヒートポンプ式暖房を搭載したオール電化住宅の年間の消費電力は10,000kWhを超える場合が多いため、数値は上記よりも高い可能性があります。

3.電気料金を下げる方法

①料金プランの見直し

規制料金を選択している方は、自由料金へ切り替えるだけで電気料金が下がる可能性が非常に高くなります。

規制料金(一般家庭向けの従量電灯Bの場合)の電気料金単価は、1kWhあたり35.44円(使用量120kWhまで)・41.73円(121~280kWhまで)・45.45円(281kWhから)ですが、自由料金(エネとくMプラン)の場合は250kWhまで定額9,218円(1kWhあたり36.87円)、251kWhから44.86円となっています。

使用電力が少ない場合は自由料金にすることで高くなる場合もありますが、月平均240kWh以上使う場合(目安は二人暮らし)以上は自由料金の方がお得になります。(240kWh使用の場合、自由料金(エネとくMプラン):9,218円、規制料金(従量電灯B)9,259円※基本料金はどちらも同じです)

自由料金の場合は様々な契約プランがありますが、使用電力が多い時間帯を知ることで適切にプランを選択でき電気料金を下げることが可能となります。※多くの場合、契約している電力会社に問い合わせることで確認できます。

但し、平均燃料価格が121,200円を上回る場合は燃料費調整額の上限がある規制料金の方がお得になる場合があるため注意が必要です。(2023年6月の平均燃料価格:71,400円)

②給湯・暖房機器を入れ替える(スマート電化)

電気温水器を使用している場合や非ヒートポンプ式の暖房の場合、エコキュートやヒートポンプ式の暖房機器(エアコンなど)に入れ替えるだけで消費電力を大幅に削減することが可能となります。

電気温水器はエコキュートに比べて約3倍の電力を消費します。エコキュートを導入するだけで消費電力を約1/3まで抑えることが可能となり、北海道電力の試算によると年間約163,000円電気料金が下がります。

機器の導入には初期費用が掛かりますが、北海道電力の場合はリース(修理費無料・10年後無償譲渡)も行っていますので購入が難しい方でもすぐに入れ替えができます。※詳細:ほくでんのスマート電化リース

4.今後の予測

発電の燃料となる原油・LNG(天然ガス)・石炭の価格は昨年の6~9月(電気料金としては9~12月)をピークに下がり続けており、2021年末頃の価格まで下落しています。今後も下がる可能性はあり、燃料費の価格下落は「燃料費調整単価」に反映され電気料金が安くなります。一方で、今回の値上げにより電気使用料の単価や基本料金は上昇しているため、以前のような電気料金にはならないと考えられます。また、アメリカの債務上限問題や日本の貿易赤字、FRBの利上げ継続などの影響により円安が続いた場合、燃料価格が下落しても円安の影響により昨年末と比較して最終的な燃料価格が大幅に下がらない可能性があります。

5.全館空調(当社の場合)の電気料金予測

昨年から電気料金だけでなくガスや灯油も高値水準となっている現在、光熱費を大幅に抑えることができるヒートポンプ(国立環境研究所:環境展望台HP)を用いた住宅設備の導入が注目を集めています。ヒートポンプ式の給湯(エコキュートなど)や冷暖房(エアコンなど)で光熱費を抑えることが今後の住宅探しのスタンダードになりつつあります。

当社はオール電化&エアコン1台の全館空調システム専門の住宅会社ですが、ヒートポンプ式の設備を導入することで北海道においても月平均1万円台の光熱費(2022年施主様平均値)を実現しています。

そんな当社の住宅の場合、どれくらい電気代が上がるのか予測した数値が下記の表になります。

【条件】家族構成:4人/住宅種別:戸建/契約アンペア:オール電化(6kW)/電気使用量:6,875kWh(2022年施主様平均値)/単価:規定通り(オール電化は平均単価5月まで24.34円・6月以降34.23円※日中単価の90%)燃料費調整単価:2023年5月の単価・6月以降は-1.64円/kWh(2023年6月の単価、激変緩和対策事業による値引きなし)/再エネ賦課金1.4円/kWh(2023年度)/補助金:1~8月7円、9月3.5円(消費電力1~8月4,583kWh・9月572kWh(2022年施主様平均値))

2023年の電気代は補助金もあるため月平均2万円以内で収まると考えられます。補助金がなくなった場合、月平均は22,000円前後になると思われますが、2022年7月頃の燃料価格(目安としては54,500円(2023年6月は71,400円))まで下がると再び月平均2万円以内となる計算です。

先ほどの規制料金と自由料金(非オール電化住宅)の電気代の予測が月平均18,000円前後となっているため、当社のオール電化&全館空調システムの光熱費がいかに安いかわかると思います。

また、ガスや灯油を使用している家庭は電気代以外にも光熱費が掛かるため一層その差は開き、2022年の家計調査ではガス・灯油の支出額が147,406円(月平均12,283円)のため、電気代と合わせた金額は30,283円となります。※2人世帯以上の平均であり、戸建など住居面積が大きい場合や世帯人数が多い場合は実際の金額が上記より高いと考えられます。ガス料金の原料調整費の上限撤廃、補助の廃止によりガスによる給湯・暖房設備を使用している場合は更に上がると思われます。

6.さいごに

【住宅を検討している人】

新築や中古、持家や賃貸などに限らず、お引越しを検討している人は光熱費も視野にいれて検討する時代がきています。光熱費だけで年間数万円から数十万円の差がつくことは珍しくなく「無駄な支出」といえます。月に1万円光熱費に差があれば、同じお支払いにも関わらず立地や広さ、設備など様々な点において良い条件で検討ができます。光熱費は住み続ける限り掛かるため、光熱費も住宅ローンや家賃と一緒に予算として考えていきましょう。

【住宅を持っている人】

電気料金の契約プランを見直すこと、省エネ設備に入れ替えることが重要となります。また、現在では住宅の省エネ性能を上げるための補助金制度も充実しているため、これを機に検討しみるのも良いかもしれません。

【オール電化住宅の場合】

電気温水器を使用している場合はエコキュートに変えるだけで大きな効果があります。省エネ設備のリース制度もありますので積極的に活用してみましょう。また、オール電化住宅の場合は選べる料金プランも多いため、現在の暮らし方にあったプランに変更することも検討しましょう。


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